赤字要因を知り対策を取る(事業再構築の前に大切なこと)
私は業績が悪い、もしくは悪化した会社様の経営改善系のお仕事が多く、そこで改善策の提案などを行っています。 そして、その中で、最近、事業再構築補助金の話を聞くことがあります。
しかし、私の方で事業調査をしていると分かるのは、事業再構築より先に赤字の根本になった要因を見て、その対策を真剣に考えたほうが良いケースが多いことです。
その赤字の要因を見ていない、もしくは目をつぶっているケースがあります。
すなわち、バケツに穴が開いているのに、それを見ないで、水を入れようとしている状態です。
最初に、赤字の要因(なぜバケツに穴が開いているのか)を知る
赤字や業績が悪い(バケツに穴が開いている)ときに最初にやらなければいけないことは、その要因を知ることです。 その要因を知ることができれば、それに対して、どの程度の対策が打てるかが分かります。
要因を知る際に気を付けることは、 人材、もの、資金、情報など仕組みなどの経営資源の状況や能力などの内部的な資源とその業種の市場環境や顧客の業況や競合などの外部環境とその内外の経営環境のバランスがどうなっているかです。
そして、その経営環境のバランスの中で、営業から製品サービスの提供までの流れ(バリューチェーン)や借入・返済など含め、どこに問題があるかを見ていくことです。
次に、その要因の解決策を行動計画とともに立案する
上記の要因が分かれば、既存事業で改善ができるレベルなのか、新事業に進出することが必須なのかという状況も見えてきます。
そして、まずは、できるだけ、既存事業の改善策を模索しながら、赤字の要因解決につながる対策立案を試みます。
留意点は、要因に対応した解決策を立案することです。
収益向上策と費用低減をどの程度行うか、収支を見ながら行います。
そして、新事業(事業再構築)や金融支援も含め他の対策の必要性を検討する
そこまで行ったところで、既存の経営資源や環境下では十分な解決効果が得られないと思われるときは、新規分野や事業再構築を検討します。
そうすれば、事業再構築で必要な効果(業績改善額やシナジー)などを自社に合った形で知ることができます。
どの程度の事業再構築が必要か?必要資金も分かります。 場合によっては、金融面の支援が必要なケースもあると思われます。
そこまで終わったら、行動計画が予定通り進んでいるかを定期で確認して行動を修正する
以上のように計画を作っても、計画がその通りに行かないことも多いと思います。なので、行動計画を確認して、それをどのように修正するか、定期的に確認しながら進めなければいけません。
コロナ禍で金融債務も大きく増加している中、安易に自社の金融機関負債が増える方向に行くのではなく、改めて、バケツの穴がなぜ空いたのかをしることが必要なのかもしれません。見たくないところに宝の山があります。
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