不透明感の中で大切な見える化

不透明感の中で大切な見える化

ものづくり白書で示されている「不透明感」

2021年5月に発表されたものづくり白書2021総論、第1章を読んでいて、その概要の冒頭P4「我が国製造業の経営判断」のなかで、「不透明感」というキーワードが2回出てきます。そして、データとしてもその前のページで今後3年間の国内外売上、国内外利益が減少傾向と示されています。

それを読みながら直接のお客さまで起きている需要の緩やかな減少と合致するなと思いながら読んでいました。

ものづくり白書第1章では、それに対して

「サプライチェーン全体を可視化した上での準備や、危機事象の内容にかかわらず残されたリソースでの事業継続を図るための想定を着実に進めることが、今後のレジリエンス強化には不可欠」

と述べています。あとはDXなどにも言及されています。大局的な納得感はあるのですが、では、現場で、「ゆでガエル」にならないように、どのように対応すればよいのだろうかと考えてみました。

出典:ものづくり白書2021 概要 P4
出典:ものづくり白書2021 概要 P4

不透明感という見えにくい状況の中で行うべきことと見える化

不透明ということは見えにくいことです。見えにくい状況の中で各社で、できることを以下に考えてみました。

1)現状を把握し、悪化要因を知る

・月次業績と資金繰りの把握
試算表を毎月だして、月次で何が起きているのかを数値で把握すること。そして、毎月の資金繰りについても確認します。

・各要素の把握
顧客ごとの売り上げ状況に始まり、資材や材料や外注などのリードタイムやコストの上昇などの現状。そういった変化している状況を把握することが大切です。

・営業面などの定性情報
業界の中で起きていることなどの定性情報を把握すること。

・悪化要因を知る
その上で、なぜ今悪くなっているのか要因を知ることが大切です。

2)足もとで取組み可能な新しい取組

新規での顧客開拓などは人がいて、顧客候補をリストアップしながらできることで、実際にやる気があればできることだと思います。

資金と今後の需要が見込めれば事業再構築補助金やものづくり補助金などにトライするのも有効かもしれません。(需要見込めない場合は難しいので慎重に)

また、生産方式などの多能工化などの推進など効率化につながる取り組みを新たに取り組むのも有効かもしれません。

3)事業計画による見える化と予測資金繰り表

悪化要因を知り、そういった新しい取組の改善幅を見積りながら、今後の見通しを踏まえた事業計画を策定することが見える化していくことが大切です。

そうすることで、効果的な改善策とその為に必要な「人」「もの」「金」「情報」が分かります。

当然、予測資金繰り表が大切になります。

4)不透明感の中で定期的な進捗確認と早めの対応

不透明感がある中で、計画も適宜進捗を確認しながら進めていくことが大切です。そして、早め早めの対応が必要です。

不透明感の中で大切な見える化

不透明だからこそ見える化が大切です。その為にも現状をデータ等で見える化しながら、将来の計画を見える化していくことが求められます。

これにより、今後の方向性ややるべきことが見えてくると思います。

当社では経営改善計画などの事業計画策定支援をしています。ご相談も積極的にお受けしています。お気軽にご相談ください。

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