コロナショックへの支援対応で感じていること
先月の中旬以降、急速な新型コロナウイルス蔓延により、商流が停滞し世界のサプライチェーン寸断が起き、日本経済の景気も急激に悪化しました。私の顧問先は製造業や運送業などの設備投資が絡む業種が多く、そこで見たこと聞いたこと行ったことを踏まえつつ専門家としての対応について振り返りました。
実体経済停滞から起きた経済危機
サプライチェーンの中の関与先各社の位置づけは様々です。サプライチェーンのど真ん中に位置する会社もいくつかあり、そういった会社様ではサプライチェーンの寸断による大きな影響が出ています。単月の売上高が大きく減少している先もあります。
特に、今回のコロナショックによる経済危機の特徴としては、金融経済の破綻から起きたリーマンショックと違い、実体経済の停滞により起きたことです。そして、現象が起きてから経済危機に至るまでの時間があまりにも短く、危機対応の準備をする時間がほとんど無かったことです。
また、先日のNHKの番組で見たことですが、今回のコロナショックによる影響は、最初に実体経済の急速な停滞から起き、次に2次的に金融経済に波及し、また最後に実体経済に危機が戻ることも警戒が必要とありました。
そういったこともあり、影響の範囲は広く、コロナウイルスの蔓延が終息に向かったとして、その後の経済復興までの期間は中長期化が予測されると考えています。
コロナショックを受けた関与先へのご支援内容
コロナショックによる影響を受けている関与先会社の為に、私が行っているご支援内容は、①取引先別や製品別の売上高の確認と今後3か月程度の予測(できる範囲で)、②それを踏まえた資金繰り予測、③必要に応じて金融機関調整や金融機関への相談対応、その他公的機関などへの相談同行や書類作成支援、④支援施策の情報提供、⑤前述内容を踏まえた今後の対応方針の策定支援(改善できる具体金額と実現可能性や予測を行いながら今後の調整に向けた事業計画策定に向けた整理)等です。
現時点では、まだ影響が起きてから期間が短いこともあり、今回のウイルスによる経済危機の影響を直接的かつ大きく被っている先は多いものの、切迫した状況で対応が難しい先は少ないです。ただし、現時点ですでに切迫した状況になっており、独力の対応が難しい先には、マネジメント補完の観点で、私の訪問頻度を緊急対応として毎週訪問など大きく上げています。そして、訪問する際には少しでも状況を進捗させ、次の方針を立てられるよう、金融機関にも同行し、相談できる知り合いのご担当者や公的機関相談などの情報連絡を適時入れながら、関係の金融機関や公的機関に相談し、情報把握しながらご協力を得やすい体制づくりを早期に進める対応をしています。
会社の状況についても、最近はほぼ週1で訪問していますので、都度変化する状況を把握しながら、適時対応方針を経営者の方々と議論することで、今のところ上手く情報共有できています。まだまだ、中期的な対応が必要で予断は許さない中、収束も見えてきませんが、数か月先を見据えながら関係者の皆を上手く巻き込み協調してもらうために、今、その会社の経営者が何をすればよいかを常に考えながら、提案して、経営者の方と連絡を密に取り合いながら進めています。
コロナ特別融資も3月中頃に相談した先は公庫の迅速なご対応をいただくこともできました。また、専門家として活動している中で、今回のコロナショックへの政府の支援に関する情報等を得やすいことから、情報を得た時は、顧問先の経営者の皆様に速やかかつ、その会社の必要に応じて適切にお伝えする努力をしています。ハローワークにも同行し、雇用調整助成金の申請と支給までの期間を聞き、思ったよりも支給まで時間がかかりそうで、中期的には助けになりそうだが、短期的・緊急の資金繰りとしては助けにならなそうだということを知ることもできました。
そういった取り組みをしていると、会社の経営者の方と気持ちが通じているように感じる時があります。
明るい未来に向けた二人三脚
コロナウイルスによる影響も長期化する可能性があり、影響範囲もいまだ分かりません。今後一連の危機対応の収束までの期間が長期化すればするほど、影響が出る会社も増えてきます。一方で、私個人が関与できる会社様の数も両手には足りず、限られており、本当に微力だと感じます。そういった中、専門家として自身ができる範囲を見極めながら、関与先に最大限の貢献をしたいと思います。
まずは関与先のことについて、①経営管理面で現在の状況を把握し情報共有すること、②早期の事業改善や成長につながる取組みの整理や方針策定支援、③事業面と金融面をつなぐ経営改善計画策定や金融調整支援により、中期的な経営改善になる実行支援をして明るい未来を作ることができるように二人三脚で進みたいと思います。
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