「経営の意思」あるところに道がある

「経営の意思」あるところに道がある

 実行支援の場面で、関与先の経営者の方々のお姿を見ていて強い意思の力を日々感じています。自分はこうなりたいという個人のリーダーシップを含む意思が、未来を創る行動の根本です。そして、それが、経営に向かうときに経営の意思になります。経営の意思を持って、未来の経営ビジョン実現に向かいます。

意思あるところに道がある

この言葉が経営を表す言葉として、いい得て妙だと思います。経営支援の現場で感じることは、まさにこの言葉です。

独立してから7年間、コンサルティングの仕事をしている中で、日々、経営者の方々にお会いします。そして、お会いする経営者の方々のお話を聞かせていただいて感じる共通点は、会社がどうなりたいかという経営の意思を持っている方が多いことです。外部環境と対峙しながら進んでいこうとすると、その中でどうなりたいかという経営の意思を否が応でも持たざるを得なくなってくるということだと思います。

それらのヒアリング経験を通して、経営者の重要な要件の一つが、経営の意思を持って日々の経営環境に向かい合うことだと感じるようになりました。

そして明確な経営の意思がある経営者の方は、環境変化する中で、漠然とした未来のビジョン実現に向かう道を大きく拓いていくことも、継続支援の現場で、具体的な取組みと結果として、見させていただいてきました。

ビジョン実現の道を開くのは社内に保有する能力

漠然とした未来の経営ビジョン実現に向かうとき、ビジョンと現状の間にある「ギャップ」が経営課題と言われます。そして、経営課題は一般的に、売上や収益面、人材面、新製品・新サービス・新事業等の開発、グローバル化、現場の課題など多岐にわたります。

各社の具体的な経営課題の内容は、各社の持つ経営資源の能力と、その能力を踏まえた経営ビジョンとの間にある「ギャップ」の大きさによって変わってきます。

各社の持つ経営者、従業員などの人材の能力、顧客、機械設備、資金力、保有する情報資源などの能力により、日々の会社運営の中で実現できる売上や利益などの結果やその内容も変わってきます。売上や収益面、人材面の能力やモチベーション、差別化された製品・サービス、新事業開発、現場改善など具体的な実現できる業績や結果は能力の発揮度に応じて変わります。

経営の意思あるところには計画がある

ビジョンを実現するという意思を持って「ギャップ」を埋める具体的で妥当な策を時間軸を意識しながら進めます。

経営資源の持つ具体的な能力の把握

その為、最初に大切なことは社内の経営資源(ひと、もの、金、情報)の持つ能力を把握することです。事業分析を行う場合もあります。まずは経営者が感覚的経験的に把握している内容も多いと思います。また、それに加えて、この能力を図る方法としては、定量面の分析により、損益計算書上やその他の数値を分解しながら、その数値が生まれる基になる要因を丁寧に分析して把握することもあります。また、定性面の経営面の仕組みについても、併せてヒアリングや現場調査して、経営管理や人材面での能力を確認します。

社内の能力に見合うアクションプラン(計画)の策定

能力がわかったところで、経営課題解決の方向性を意識しながら、能力に見合ったアクションプラン(計画)を策定できるようになります。現状の設備能力やそれを扱う管理運用の仕組み、そして人材の数やモチベーションや能力など、資金力、持っている情報などをフル活用して、時間軸を意識した現実的で妥当性のあるアクションプランを模索していきます。

人材面で能力向上が必要であれば、資格取得や人材育成の計画が必要になるかもしれません。また、機械等の設備稼働能力に限界があれば、需要動向を見ながら能力向上に向けた新規設備投資なども検討が必要になるかもしれません。また、それらを支える資金力も必要です。場合によっては、改善の視点が必要かもしれません。

それらを統合し、経営課題を踏まえながら能力に見合うアクションプラン策定を行うことが、一本筋の通った軸のある経営につながります。

まずは経営の意思を確りと持ち、環境変化に対応する

経営ビジョンを実現するという意思を持って、経営資源の持つ能力に見合うアクションプランを実行することにより、一歩一歩、経営課題解決に向け道を進んでいけるようになります。まさに、「意思あるところに道がある。」です。

しかし、その過程で、外部環境変化などにより当初のアクションプランがそのまま進まないこともあります。経営環境は変化します。

そういった場面でも、経営者がまずは気持ちを確りと持つことにより、今できる最善の対応を取ることにもつながってきます。

今般の新型コロナウイルスの広がりに伴う商流含む環境変化も、誰も予期できない変化です。変化する経営環境に遭っても、意思と気持ちを確かに持って、情報を集めながら今できる対策を着実に実行していくことが大切です。

自身がどうなりたいかという意思を持ち、ビジョン実現を図るという経営の意思をもって変化する経営環境に対峙しながら、経営資源の持つ能力に見合うアクションプランを実行することにより経営課題を解決することが求められています。

まさに、「経営の意思あるところに道がある」です。

私自身も経営の意思を持って、環境変化に向き合い、情報を適時共有しながら、関与させていただいている各社の経営資源の能力に見合うアクションプランを共に練り、経営ビジョン実現に向けたお手伝いをしたいと思います。そして、自身のビジョンも実現していきます。

※経営の意思の用語は「マッキンゼー 経営の本質 意思と仕組み(マービン・バウワー著)」(ダイヤモンド社)から使用しています。

この記事を書いた人

フェイスブックでコメントする