補助金活用の留意点

補助金活用の留意点

事業再構築補助金の話題で沸騰しています。最近、国の予算が補助金に多額に振り分けられています。私も公的機関のお仕事で補助金の相談に乗ることが多くなりました。

そこで、補助金の相談に来られる方は、補助金採択を目指すわけですが、相談者にも2種類いらっしゃいます。一つは補助金採択後の成長を目的にする人、一つは補助金採択が目的化している人です。 そこで感じた補助金活用の留意点について3つの視点で書きたいと思います。

売上や利益など投資効果の確度が高いか?

生産性を向上し付加価値を上げるために設備投資を行います。そして、計画通りに利益が増加すれば設備投資をした意味が出て、賃上げができて、会社の業績も改善します。

しかし、設備投資が目的になっているケースは、売上やコスト削減などの確度が低いにもかかわらず、補助金の採択だけを目的に効果が見込めるかどうか固めずに補助金の申請をするケースもあると思われます。

機械を入れれば改善できるわけではありません。その効果を確りと想定し、見積もり、計画する必要があります。

そうしないと、ムダな設備投資になり会社の大きな負担になるケースもあります。それで却って、会社業績が悪化しているケースがあると聞いたことがあります。

補助金で導入した設備が遊んでいるなんてことにならないように、確度の高い計画をする必要があります。

資金繰りが必要

補助金は基本的に、採択後に事業を実施して、請求書や振り込みの記録など、それに係る証憑を整理して補助金事務局に精算の申請をし、事務局が認めてくれれば、初めて補助金が交付、振り込まれます。

そこまでの期間は、採択後の補助事業の実施期間が長期間化すればするほど、長くなります。長いものだと採択から半年から1年程度かかるケースもあります。

その為、その間の運転資金が必要です。そして、資金調達をどうするか明確にする必要があります。資金調達ができずに実施できないということが無いようにしないといけません。

補助金の決まりを遵守できるか?

補助金は税金が財源です。税金は企業や国民の血と汗の結晶です。ですので、その使用にも妥当性が求められます。その妥当性を担保するために、補助金を活用する企業にはルールが課されます。そのルールを理解して、補助金の趣旨に沿った活用を行うことが求められます。

モノづくり補助金などで事業計画で表明した賃上げが実現できない場合には、収益納付といって補助金額の一部や全額の返還を求められることがあります。

また、交付申請の時などの添付書類として一定の金額を超えた設備などを購入する設備についての相見積もりが求められることがほとんどです。そういった相見積もり書類が準備できずに交付申請ができず、補助金を交付されないこともあると思われます。

他のルールも含め、確りと把握しておく必要があります。

以上のように補助金は採択されれば終わりではありません。申請を検討する場合は、以上の3つの留意点に注意しながら適切に実行し、付加価値を高め、会社業績を改善していく必要があります。

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