支援体制を創る会社側主体のコミュニケーションの重要性

支援体制を創る会社側主体のコミュニケーションの重要性

 前回「支えあう仕組みを創る」というまとめを書きながら、最近起きたことを振り返っていてひらめいた金融支援を受けやすい連携の取組みについて書いてみました。

事業内容を理解してもらうコミュニケーションが連携した支援を引き出す

 最近、自身の仕事の中で次のようなことが起きています。

 昨年、経営改善計画を策定し、条件変更から金融正常化へと戻す支援をした2社(うち1社は顧問先で数年間の改善を経て実施)で金融機関や関連機関がコロナ下でも協力的に円滑にご融資に応じて下さったり、その他、条件変更中の顧問先でも金融機関様に年1回定期開催するフォローアップ会議で詳細な事業進捗状況報告を行い、今後1年間の予測資金繰表の提出と併せて行ったところ、報告前は会社の求める内容と金融機関の支援内容が噛み合わず足踏み状態だったところが、報告後はメイン金融機関の支店長自ら会社の求める内容に的確に対応した提案をして下さったりと、コミュニケーション取るごとに良いことが起きる循環が続いています。

 その中には、金融支援側の方々が「その会社の中味を分かっているからとても進めやすかった。」と言っていたと会社様の方から聞いた案件もあります。

 当然、私もコロナショックで平常時と比較して金融支援が受けやすい事は承知しています。その前提ですが、そこで感じたことは会社側主体のコミュニケーションや情報共有により連携した支援が受けやすいということです。

事業内容を理解してもらう手段は何か?

ではコミュニケーションの中身として求められる内容は何でしょうか?私が見てきたところでは以下の内容は支援を受けやすくなる内容だと思います。

  • 日常のコミュニケーション
  • 試算表や資金繰り表の提出
  • 経営診断報告書(事業や財務の調査報告書など含む)
  • 経営改善計画書など事業計画書の情報共有
  • フォローアップ会議の開催での情報共有

 それぞれ、事業の内容を数値で理解できたり、定性的な事業状況を把握できる内容のものです。

コミュニケーション上の支援専門家の役割

その中で専門家が担う役割は何かということですが、私は次のように感じています。

  1. 事業の内容が合理的に理解できる調査報告を作成し金融機関等の関係機関を交えて報告会をする。
  2. 事業計画書策定支援を通じて定性と定量情報踏まえた精度高い数値計画の策定し関係機関に報告する ※事業全体の数値計画、資金、設備、人員、税務等含む
  3. 1や2の内容を踏まえた現在の状況の見える化と改善策の提言
  4. 計画のフォローアップミーティング(金融機関交えた)の開催支援
  5. 金融機関提出用の予測資金繰り表作成支援
  6. 管理体制構築に基づいたその他コミュニケーション支援 ※金融機関や主要取引先とのコミュニケーション支援

こういった取り組みを継続しているとその会社を支援してもらう体制ができてきます。それが、お互いに信頼関係を持ちながら、合理的かつ実効性のある連携した金融支援につながってきます。

コロナショックを乗り越える為のコミュニケーションの重要性

コロナショックの中、そして、今後とも引き続き重要な考え方だと思います。

そして、こういった専門家の支援は、経営者独りでは関係者の壁を突破できず勇気を持った決断ができない再生局面での経営改善や事業承継時の磨き上げの際に特に効果があるように個人的に肌で感じています。(私の仕事がそういう局面が多いことからそう感じるというのもあります)

私も会社様と金融機関を含む関係先との間の、きめ細やかなコミュニケーションの一助となれるように微力ではありますが、今後も取り組みたいと思います。

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