経営改善に必要な経営機能の一元管理や統合の重要性

経営改善に必要な経営機能の一元管理や統合の重要性

私は経営改善に伴う実行支援を行う事が多く、それが本職です。独立してから約8年間ひたすらその仕事を行ってきました。

前回のブログの最後の段落でも述べていますが、ご支援会社とのかかわりの中で気づいたことがあります。それは、一元管理の重要性です。

 経営改善が進む会社では経営者による一元管理が機能しています。反対に、改善が進まない会社は濃淡はありますが一元管理できていないケースが多いです。

経営システムの一元管理とは?

経営システムの一元管理とは経営資源の有機的なつながりを臨機応変にインテグレーターになって統合してコントロールすることと、ここでは定義します。

会社の経営資源の有機的なつながりによって運営されています。

しかし、それぞれは放っておくと連動しません。それを連動させる仕組みを持ち、一元管理することが重要です。

各経営システムの機能は単体では連動するが、重層化すると複雑化し独立する(ばらばらになる)

各機能は、例えば、売上を上げると入金し資金繰りが改善するなど、因果関係やつながりがあり連動している側面があります。

しかし、先の例で、入金先の顧客が複数あり顧客数が増えれば増えるほど、入金サイトもそれぞれ違い、それらが集合していくと、つながりも単体ではなく重層的に複雑化します。 

その為、各機能もそれに伴い複雑化して独自化および独立していきます。その為、各機能を見える化しないまま放っておくと連動しません。

 組織が大規模化すればするほど機能別組織になる理由や所以です。

その結果、連動しない代表的な内容としては以下のような問題が起きることがあります。

  1. 外部環境の影響による繁閑差と売上の上下→入金額の変動
  2. 営業部門と工程部門が連動せずに納期遅れする。(受注と生産計画の未連動による問題)
  3. 採算が悪いけど売上高確保のために短納期で対応
  4. 資金は入金サイトと仕入れサイトの組み合わせと違いにより足りない資金が生じます。
  5. 資金繰りに必要な改善策が分からなくなる。

その結果、各機能がばらばらになり、どんどんブラックボックス化して、何をして良いか分からなくなることがあります。そして、行動ができず時間が経っていくことがあります。

各機能や情報管理がばらばらで統合されないと行動できず改善が進まない

経営改善が進みにくい時、そこで起きていることを観察していると、各機能や情報管理がばらばらになっているケースが多いです。そして、それが行動不足や外部環境変化への対応の遅れにつながっています。

その要因を考えてみると以下の要因が挙げられると思います。

  • 各機能を別々の人が担当し、ブラックボックス化している。(他の人が担当していることは分からない 痛みが無い)
  • 経営者の経営システムの把握不足や勉強不足
  • 情報共有不足

これらの要因により、経営システムは統合されず、皆、他の機能(営業ならば工程や業務など)のことが他人ごとになり、見えなくなり、気づいたときには手遅れになるケースもあります。

経営改善に必要な一元管理の必要性

 そういうわけで、経営改善や経営革新を進める際に必要なことは、いかに重層化、複雑化することを見える化し情報共有しながら、関係者や関係機能を連動させて改善や革新の経営目標に向けて動かしていくことができるかということになります。

 それができている会社は、今が悪く綱渡りしている会社でも、本当に良くなっていくのを何度も見てきました。

その為に必要なことは前段の裏返しになります。

  • 経営者が現状の各システムの状況を把握するための見える化(情報システム含む)
  • 経営者の自社の経営システムについての勉強
  • (ブラックボックス化しないように)担当幹部を集めた情報共有(経営会議など)

となります。そうして、見える化すると当事者意識にもつながり、改善や革新の経営目標に向けて進みやすくなります。

私も、事業計画の策定や経営会議運営支援を通じて、中小企業の経営改善や経営革新の円滑な推進に貢献したいと思います。

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